夏も終わりに近づいてきて、少しずつ町並みが紅葉に染まってきた。
世間は幼稚園を受験する、なんて話しが騒がれ始めていた。
でも、そんなのはテレビの中の話。
当たり前のように小さい頃は野球に打ち込み、それなりの成績を収めた。
中学校に入り、なぜか、バスケ部に入る。
入ってすぐに先生にカっとなり、退部になってしまった。
雄大はいままでスポーツに打ち込んでいたが、ちょうどこのことをきっかけにやめてしまった。
学校もまともに行かず、コンビニなどで過ごす時間が多くなった。

雄大は、あるブログを見つけた。
とてもいいブログだった。
それを書いている女の子の名前は舞子といった。

舞子が雄大の運命を変えるとは、まだ分からなかった。

ある日、雄大は久しぶりに学校へ行った。
学校には女友達のきな子がいた。
きな子はこっちに気づき、近づいてくる。
「雄大、久しぶり」
「…久しぶり」
「ねえ。」
「なに?」
「ブログでさあ、舞子っていう娘、知ってるでしょう?」
「知ってるけど、なんで?」
「べつになんでもない」
そういうと、きな子はどこかへ行ってしまった。

結局、学校へは行ったものの、授業なんて聞かずにボーっとしていた。

その後、寝る前にケータイをいじっていると、ふと今日きな子が言っていたことが気になり、舞子にメールをしてみた。
「きな子っていう人、知ってる?」
「知ってるよ。塾で知り合った。昔の友達」
「そうなんだ。じゃあ、家、近いんだ。」
「そうだね。」
「今度さ、遊ぼうよ」
「いいよ。」
「じゃ、またね。おやすみ。」
「おやすみ」
俺は返信が来たのを確認して、眠りについた。