「…何だよ、これ。」

秋夜の机は、これ以上に無い荒れようだった。
死ね、失せろ、様々なペンで書かれ、最終的には彫られて、マトモに使うなんて二度出来ない。

架名からの連絡はたまにあったが、こんな事をされてる奴が居るなんて聞いていなかった。


「お前達、遅刻するとは何事「煩いッ」…」

俺の肩に置かれた教師の手を払い退ける。

そしてロッカー、机、名簿。
何を見ても秋夜の名前の部分は黒く塗り潰されていて読めない。

異常だ。
なんだ、これは。
何なんだ、コイツらは。


「千尋、落ち着け」

「落ち着いてられっか、何でッ」
「アイツ…秋夜の、話、聞くだろ。」

俺は、ただ頷くしか無かった。