高校二年生、季節は秋の半ばになった。

夜中に、私は着替える。
外は雨だが、コンビニへ行かなければ食べ物が無くなってしまう。
服は制服。
マトモな服なんか、親は買ってくれない。


『…行ってきます』

小さく、誰にも聞こえない声で呟き、ビニール傘を持ちに外へ出る。

ただ、私の足はコンビニとは逆方向の、もはや使われる事の無い旧校舎へ向かった。


『…馬鹿、みたい』


旧校舎に入った時、何をしているんだ、と我に帰り直ぐ様帰ろうとする。


『ど…どうして…』


が、扉が何故か閉まったまま開かなくなっていた。