「おい、いい加減止めろ架名ッ」
千尋が架名と呼ばれた変人を突き飛ばす。
正直、私は呆然としたままだった。


「いって…だって、千尋が学校に来るなんざ珍しいからよ、嬉しくって。」

「だからってくっつくな、周りが気味悪がってるだろ!!」

「気にすんな、ほら教室何ぞ行かずに屋上屋上!」

「おい、待て…ッ!?」


そう言い、架名は千尋の腕を掴み階段をかけ上がって行った。


『…は!?ちょ、千尋ッ』


私が状況判断出来たのは数秒後。
急いで二人の後を追った。







私が追い付いた時には、千尋が息切れをしながら架名を睨み付けていた。

「…おい、架名。どういうつもりだよ。」

「どうも何も…見えない奴の前でコイツの話は出来ないだろ。」