【莉奈side】


放課後。


絢子は頬杖をつきながらじっとあたしの顔を見つめる。


「なんか最近の莉奈、ホント幸せそう」


「え~?そうかなぁ?」


「そんなこと言って。自分が一番よくわかってんでしょ~!?この幸せ者め~!!」


「いふぁーい!!」


絢子は面白がるようにあたしの頬を両手でつまんで横に引っ張った。



魁一と正式に付き合ってから早1か月。


喧嘩もほとんどしていないし、大きな問題もない。


毎日ではないけれど、魁一が暇な日は一緒に帰るし、


図書委員の仕事があるときは、魁一が教室で待っていてくれる。


『図書委員の仕事なんてサボれよ』


口ではそう言いながらも、あたしの仕事が終わるまで待っていてくれる魁一。


その優しさが嬉しくてたまらない。