「加奈子、落ち着いてきいてね?」 「なに?」 夜の9時すぎ。 あたしと加奈子はあたしの部屋にいた。 稲刈りで疲れているのか、加奈子は眠そうに目をこする。 寝かせてあげたいけど、これだけは言わないといけないから。 あたしは息を吸ってゆっくりはなし始めた。 「今この村に、南 優希くんが来てるかもしれないの」