それからどれくらい時がたっただろうか。

抜いた草は山盛りに積まれ、手が泥だらけになってきたころ、遠くから声が聞こえた。


「…あれ?愛里?」


見上げて見覚えのある顔を見つけると、あたしはその子に大きく手を振った。

その子は何も言わず、こっちへ向かってくる。

なぜか早歩きで。


「ねっ見て!この草の量!あたしが全部やったんだよ!すごいでしょ!」

「……」


あたしは誇らしげに話を続けた。