月が煌々と輝く夜。



京の都にある旅籠――、池田屋。



その旅籠で新選組による御用改めが行われていた。



長州の企てを阻止する為だ。



最初は数の上で勝っていた長州だが、新選組の増援が来ると、戦力も数の圧倒的に不利になった。



それからしばらく経った頃には新選組により長州は鎮圧させられた。



そんな池田屋の庭の一角に二つの影があった。



片方は役者のような美丈夫、もう片方も彼には劣るが、端正な顔立ちをした青年だ。



浅葱色の羽織を着ていることから二人は新選組の者だということが分かる。