「おっ!?噂をすれば杏ちゃんだ!」
「はっ!?どこ?」
なっ何だと?
そんなことが…って、いた!
前方から友達と歩いてくる桐谷。
よし!
話かけよう。
「よ!桐谷。おはよう」
「………」
……は?
俺の顔も見ずに
シカトされた。
…俺、何かしたのか?
「おい!待てよ、桐谷!!」
結局、アイツは振り向くことなく
去って行った。
うわ~………
すっげぇ、ショックなんだけど。
「はっ!?何したんだよ、お前!」
「…俺も分かんねぇ」
「ん~……明らかに避けてますねぇ。
 どーしたっていうのか…。」
俺、嫌われてしまったのか?
グサッて心に釘が
刺さったみたいに苦しくて…
俺は固まってしまった。
もう、風磨と話す気にもなれなくて
「ごめん。先行って。」
不穏な空気を察した風磨は
「んじゃ!」
明るく言ってきた。