「ただいま……」
俺は沈んだ気持ちで
家のドアを開けた。
「おかえり~って、何やねん、その顔!
 しけた面してんなぁ」
「………うっせぇよ、ババア」
ハイ…うちの母親です。
東京に住んで、かれこれ20年
いまだに関西弁のまま。
本当にうっさいんだよ、このババア。
「んな口、聞いたらアカンねんで!」
「………ハイハイ」
「ハイは、1回やで!」
「…………」
「何か返事しぃーや!」
「…………」
このババアは無視が一番効く。
だから、フルシカト
♪♪~~♪♪
「へっ!?」
誰だろう?
携帯開いてみると
「きっ…桐谷っ!?」
なっ何でなんだ……?
「ほぅ~彼女かいな。呼んできぃや!」
後ろからババアが言う。
「そんなんじゃねぇーよ」
…そんなんに、なりてぇけどな 笑
「いや~うちの息子が恋するなんてなぁ…
 母ちゃん、感動するで!!」
「…勝手にしとけ」
てか、とりあえずメール見ないと。
あの小言うるせぇババアを
リビングに置いていって、
俺の部屋のドアをしめ、
誰もいないか、確認して…