午後六時―――。


「じゃ、奈央さんお先に~」


「あ、お疲れ様でした」



 早上がり組の就業時間が終わろうとしている。

 一条は昼過ぎに数時間ほどキッチンで仕事をしたあと、また仕事で外出してしまった。


 毎日長い時間職場にいられるといつみんなに気づかれてしまうか気が気ではなかったが、会えない時間が長いとそれはそれで寂しいと感じてしまう。


 奈央は更衣室で私服に着替えながら、携帯の着信ランプが点灯していることに気がついて慌てて履歴を見た。




 神崎紗矢子 16:08着信。