「ん……」


 瞼の裏が明るい、そして誰かが優しく頭を撫でている感じに奈央はぼんやりと目覚める。


「ああ、起きたのか」


「一条さん……」


 朝陽の光が白いシーツを照らして、目の前には愛しい人の笑みがある。


「よく眠ってたな」


 唇に目覚めのキスが落とされて、ようやくここが自分の部屋でないことに気づく。



「いっけね、朝イチで会議があるんだった」


「会議?」



「ああ、既存メニューの見直しのための会議だ。俺がいない間のキッチンはお前に任せたぞ戦乙女殿」



 揶揄を交えながらそういって、一条は一糸纏わぬ姿でベッドから降りる。