――翌日。


会社に着いてから、あたしは食堂に向かわなかった。
佐伯に抱きしめられた…
後々、冷静になると、恥ずかしくて死にそうだった。

脳裏に焼き付いて頭から離れてくれない。

喫煙ルームの前を通ろうしたら、佐伯が出てくるのが見えた。

うわぁぁ…こっちに来るよ!

そして。
すれ違いざまに、

「おはよう」

いつもの調子で佐伯が挨拶してくる。

「おっ…おはよう!」