「……杏奈ちゃん?」








目を開けると、藪内先生の顔が近くにあった。



周りを見渡すと、見慣れた部屋がそこにあった。







……病院か。大嫌いな消毒液の臭いが、鼻を刺激する。







「杏奈ちゃん、倒れたんだよ。雅と行ったショッピングモールの近くでね。沢山走ったから、発作が起こったみたい」







腕に繋がれた無数の点滴をひとつずつチェックする藪内先生。







最悪。こんな形で、戻って来ちゃうなんて。