あのデートの日から、あたしの頭の中は時雨でいっぱいになっていた。




「はぁ…っ」





「それで23回目の溜め息。」





あたしの目の前の席の麻美はどうやら、ため息の回数を数えていたらしい。





「その溜め息って、もしかしてアイツ関係?」






「どうなんだろ?…あのね──……」






あたしはこの前のデートのことを全て話した。





あのモヤモヤした気持ちのことも。







「なにあんた…。それ完璧に恋におちてるじゃん!それに気付かないって…。怖いわ…鈍感ってここまでくると救いようがないわ」






あたし鈍感じゃないはずなんだけどな…。



結構、鋭い方だと思ってたんだけど。






「あたしが時雨に恋…?」







「どう考えてもそうじゃん」