『お母さんはすてきな王子様と
結婚したの』


シンデレラの娘
シャルドネは裏の山にあるバラ園の
庭で頬ずえをついてため息をする
周りは甘い匂いにつれられた
蝶がひらりと飛び シンデレラ城
の土地であるため人はいない
のが勿体ないほどの風景だ


「私は素敵な出会いってないんだよね
もう、お姫様なんだもん…」


シャルドネの頭には母シンデレラの
魔法の物語が見える
カボチャの馬車 ガラスの靴
とってもユニークで綺麗なその
情景を自分も経験したかったと
シャルドネは頬を膨らませる

お姫様なシャルドネは
素晴らしい結婚式があっても
素晴らしい出会いはそうない
どこかの王子様と結ばれても
自分と台頭な相手なのだ

シャルドネは屋敷から持ってきた
飴を口に放り込んでバラ園を
歩いた


「そうねぇ…素敵な出会いっていうのは
私が神様と結ばれるぐらいじゃないと
そういえないわ」
ふふっと笑いながらとろぉとした
目でシャルドネはバラの花びらを
触る 


「もうすぐ18…結婚の時季に
なる前に捜さないとねぇ 」


そう言うとその触っていた花びらをバラから抜き取った一瞬バラの茎が歪む

ふふふ…ふふははは

シャルドネは次々と手当たり次第に
バラの花びらだけをむしりとる
とげが刺さり手から血が垂れてるのも
当たり前のように

そしてある程度むしりとってから
最後にとった花びらを口に入れて
食べ始めた


「苦いわねぇ 甘い匂いのくせに
まるで私みたい…」


シャルドネはそのまま城へ引き返えそうとしたが園芸師がいる
シャルドネはちかずき
その美しい顔を満開に咲かせて
「おつかれさまっ♪園芸師さん」


園芸師はいえいえーと顔をほころばせた

「もしかして新人さん??」
《あ、はい》
「運命かも♪ねっこれからここでお茶会しよっ」

…………………………………………

「園芸師さんは素敵な出会いとか
考えたりする?」
《そうですね…ありますね》
「ふぅ~んまだ若いもんね♪何歳?」
《21です》
「そうなんだぁ私17↑↑」
《あ~もうすぐ結婚ですね》
「うん!園芸師さんは結婚してる?」
《いや、まだ(汗)
素敵な出会いがあれば…》
「じゃぁお姫様の私と結婚すれば
すごい素敵だとおもわない?園芸師とお姫様!ぴったり」

《本当ですか?》



ん?
「嘘に決まってんじゃんばーか」

ドォス

「あんたみたいな庶民が素敵な出会い求めてんじゃねぇぞ この世で素敵な出会いをしていいのはお姫様の私、シャルドネに限るのよ ほほほほ~ 」



ゆっくりと園芸師の頭から
血が脈をたてるごとに床に広がる
シャルドネのもってる鉄製の
ハンマーにこびりついた血
陥没した園芸師の頭



「メイドーメイドー そこにいるわよね
きてちょうだい」 



茂みから年老いたエプロン姿の女がでてきた
「この園芸師の死体埋めといてね
あー今日むしったバラをすべて抜いてその土の下ねそしてまたバラを植えて」

メイドは死体をひきずる



「あーあとメイドさん、今回の園芸師は
ダメダメよ こんな高貴なお姫様のお茶会の誘いは断るはずなのに 間がさして承諾したのだもの こんどはもっと
格好良くて礼儀正しい園芸師をえらんできてね」





シャルドネは城へ戻った