ケータイ小説 野いちご

恋の戦國物語

―弐―「信」
お召し物


◇ 愛side ◇

――…

サーッ…―パタン


「ふぅ」

部屋を自由に使っていいと言われて、その後、夕飯を食べさせてもらった。

そしてご飯を食べ終えてから、一人部屋に戻ってきて、今に至る。

座りながら、ぼーっと寛いでいるとさっきの出来事がよみがえってきた。

…あたしが泣きながら政宗に寄りかかって眠っちゃって…。

目を覚まして目の前に政宗が居たから、慌てて離れようとして…――。


その先を思い出した瞬間、ボッと頭から火の煙が噴いたような感じがした。

駄目だ、駄目だ、あたしっ!

あたしのせいであんなことになったんだし、政宗は多分もう忘れてるよね!

うん、…政宗は、何も気にしてない…よね…。

……。

…心の中、一人ではしゃいでたけど、いざ「政宗は自分に興味がない」と思うと落ち込むな…。

あたしは片隅で、勝手にはしゃいで勝手に沈みながら、もう一度カバンを探り始めた。

さっき出したカメラと、携帯。

カメラに再度電源を入れて、今まで撮ってきた写真を見ようとボタンを押して操作する。

ここに来る前に、色んな角度から撮った米沢城や、新幹線の中でおちょくりながら撮った百合や先生、後ろにいた男子の顔がの写った写真。

今、百合は修学旅行を楽しんでいるんだろうけど、あたしは今朝の出来事全てを懐かしむ様に一枚一枚保護していった。

その他にも、今日撮った政宗のきょとんとした顔や、小十郎に貸したときに間違えてシャッターボタンを押したのだろう、小十郎の着物が写っている写真もあった。



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