~伊織side~



……やっべーよ。



心臓の高鳴りが、尋常じゃない……。



平静を装うのに、必死だったけど、



彩花の方がパニくってて、俺のことなんて気付きもしてない様子だった。









『キスしよっか』……なんて、よく言えたな……と、



今さらながら、自分で驚く。



だけど、あからさまに避けなかったとこを見ると……



脈アリ?



俺がずっと恐れてたほど……



彩花の反応は、悪くなかった。