昼八つの時 一之助様の迎えが来た。 思わず、感動から口元に手を当てた。 御自らの……… 綺麗に着飾った私を一之助様は あの優しい笑顔を向けて 迎え入れてくれた 禿や遊女たちの見送りを背に 私と一之助様は並ぶ 「あ…一之助様、少しお待ちおくんなんし」 そう言って、私は泣きじゃくることのと 視線を合わせる 「ことの…わっちの言うた事は覚えておるか?」 問いかけると うん、うんと頷く