坂下先生と一緒に教室へ向かうと、何かが倒れるような音がした。



駆け込むと、余合が真っ青な顔して床に倒れていた。


周りの話では、いきなり倒れたということだったが、男に免疫のないコが多くの男子にいきなり囲まれたら、倒れもするだろう。


お嬢様とお近づきになりたい気持ちは分かるが、少しは余合の都合も考えてやれと言ってやりたい。




「蒼先生、保健室の場所ご存知ですか?」


「いえ…」


「では、すぐに戻りますので、その間自己紹介をしておいて下さい。」


坂下先生は、余合を軽々とお姫様抱っこし、行ってしまった。




場所を知っていたら、余合を運ぶのは僕の役目だっただろう。


惜しいことをしたと思った。


イヤイヤ、僕は何を考えてるんだ!?




そんなコトよりも…


いくら余合が細くて小さいとはいえ、坂下先生は40過ぎのオッサン…だよな?


あの人には、四十肩や腰痛は無いのか?


僕が40過ぎたら、あんな風に…なれそうもないか。