終業式後、数学科教材室に一人でいると、アンジェが入ってきた。



「蒼、今いいか?」


「何か用か?」


アンジェが、数枚の写真を僕の机上に置いた。


この前、梨香とデートしたときの…ものだった。


こんなに早く、バレるとはな…。




「取引、しない?

2年のクラス替え、梨香と一緒になれるように便宜図ってよ。」


「そんなことより、数学の補習取消でも要求したらどうだ?」


「補習のことはいい、要求呑むの?」


「断る。」


「アンタ、そんなこと言っていいの?

こんなものが表に出たら、リコは退学、アンタはクビだよ?」


アンジェは、机上の写真を僕に突きつける。




それには、梨香を抱きしめる僕が写っていた。