あれから、芽衣と学校で会ったときは誰にもバレないようにアイコンタクトして、その日の昼休憩は芽衣と過ごした。


加奈たちはそんなあたしを怪しんでるみたいだけど、深く聞いてくることはない。

それだけあたしに興味がないってこと。


そんなことよりもあたしが気になってるのは、"あの噂"のこと。

龍泉に関わっている女の子の話。


以前よりもハッキリしてきたその話題を聞くたびに、ビクビクしていた。

油断してた。

あれから何も起きないからって、もう大丈夫なんじゃないかって思ってた。


「美波、半分あげる」

隣にいた希龍くんが、メロンパンを半分、あたしに差し出していた。


「いいの?」

「うん、あげる」