あの日から爽汰は本当に帰ってくるのが遅くて。
疲れてるのか、ロクに話もしないまま眠ってしまう。
負担にはなりたくない。
だから何も言わずにそっとしている。
でも、あたしの意識改革は始まった。
ちょっとでも女の子らしく見えるように。
この前買ったルームウェアもちゃんと着ている。
最近はスウェットを着ていない。
これを初めて着た時、爽汰は特に何の反応も見せずにそのまま寝ちゃったけど。
「それで?」
「それでって?」
「いや、だから……その意識改革をして爽汰君とはどうなったの?」
「特に何も……。
ていうか、最近まともに話してないかな」
「むしろ悪化してんじゃないのよ!」
バン!とユカがテーブルを叩く。
横を通りかかった店員さんが若干驚いてた。
仕事帰り、ユカから連絡が来て会うことになった。
爽汰は帰ってくるの遅いし、ご飯の準備をする必要がないからいつもの喫茶店でお喋りをしているあたし。
「何で?何でそうなったの!?」
「お、落ち着いて!ユカさん!」