「悪い予感が当たっちゃったみたいね」


くそっ。こいつには読まれてたか……


「栞に何か用でもあるんですか? 松本悠馬さん」


近藤絵理は俺を睨み付け、低い声でそう言った。こいつ、相当俺の事が気に入らないらしい。気が強そうだし、吉田栞に近づくには、かなり邪魔だな。


「絵理ちゃん、悠馬は栞ちゃんにもう一度会いたかったんだそうだ。な、そうだろ、悠馬?」


さて、どうしたものかと考えていたら、弘司が助け舟を出してくれた。


「あ、ああ」


俺は不本意ながら、した手に出る事にした。今は吉田栞の俺への印象を改善し、再接近する事を最優先にしないといけないのだから。こんな生意気女と喧嘩してる場合ではない。