今日は帰りに委員会があった。

まだ稜が優しかったころは委員会があっても待っていてくれた。


「あっ…」

そういえば今日教室に数学の教科書おいて行っちゃったんだっけ…。

委員会のとき数学の教科書がないのに気がついた。

今日たしか宿題で出たはず…。


そうして教室についたとき。


「ちょ…稜ッ……あっ…」


女の子の声と共に目に映ったのは…

教室で女の子を壁に押しつけてキスをする……稜。


ドサッッ


あ……

音をたてたのは、床に落ちたわたしのカバン。


「誰っ…?」

女の子が私に気づいた。

「あれ…たしか木下さん?」