稜side*


アイツの笑顔はすごいかわいいんだよ。

本当に。

だから不安だったんだ。それだけ。


でも、そのせいでアイツを傷つけていたんなら


おれの不安(そんな)思いなんて


下らないよ。







「ごめ…な」

校舎の壁にもたれ座りこむ。

ただ、言ってほしかったんだ。

ただ、安心したかったんだ。




ただ、それだけだったんだ。


後悔が一滴眼からこぼれ落ちた。





稜side* 終