卒業式が終わり、

友達と別れを惜しんで、

門のところで、話をしていた。

・・・

そこに、

高級な黒のセダンが止まり、

誰かが下りてきた。

「・・・あ」

「楓様、お迎えに上がりました」

「は?」

「社長が会社に連れてくるようにと、

言われてきました」


「私はあそこには行きません」

「楓様には拒否権はないと聞きました。

有無を言わせず連れてくるようにと」


ジタバタもがく私に、

イケメン君は、

まるで荷物でも抱えるかのように、

私を抱えると、

車に押し込んだ。

・・・

私は荷物じゃない!