楓が帰り、

ため息をつきながら、椅子の腰を下ろした。

・・・

最初から

楓がここに面接に来るのは知っていた。

・・・

楓の母親が、

ここを進めた。

・・・

それも企みを持ってのこと。

・・・

楓の両親とは親しい仲。

なぜか、楓の両親は、

うちと変わらないくらい

大きな会社を経営してるにもかかわらず、

楓はそのことを知らずに育てられた。

・・・

両親は、楓がまだ小さい時、

身代金目的に誘拐されたことを悩み、

考えたあげく、

小さなアパートで、

貧乏を装って楓を守ってきたらしい。

苦肉の策。