――その日は特に事件もなく、あたしと廉は定時で仕事を終えた。




「樹里、腹減らないか?」




「うん、減った。ペコペコだよ」




今日も朝から晩まで訓練で、もうお腹が空きすぎて大変。




「じゃあ飯食ってから、俺ん家行くか。」




「うん、そーしよ!」




あたしは廉の隣を歩く。




この場所はとても安心する。




「樹里」




「ん?どーしたの……あっ、」




ぐいっと手を引かれ、更衣室に連れ込まれる。




「やっ、廉…!こんなとこで……ぁ」




「いいから黙れって」




トンッと壁に押し付けられて、手首を固定される。




もう……逃げられない。