「……」 肩身が狭いとはまさにこのことだと思う。 だって、あたしの前には学校一の人気者がいるから。 「…和羽」 低い声で呼ばれて、ようやく顔をあげる。 低くて掠れた声は好きなんだけど、それは周りも変わらない。 目に入ったのは誰に聞いてもイケメンだと言う綺麗な顔。 「今日、行くから」 口数が少ないのは昔から。 誰が相手でもそれは変わらない。