「アー、スッキリし・・、」

「・・・・・見ないで。」


タオルで頭を拭きながら来た彼が
その様子に立ち止まり、動作を止めてる。


「何やってんの・・? ヨガ?」


部屋に戻って先にお風呂から上がってた
あたしは・・
只今ベッドの上に座って肩こりケア中。

まるでストレッチ、右手で左肩甲骨に
肩コリの局所浸透薬を塗っていた所だ。

その為に少々パジャマを肌蹴て、
前からは鎖骨から上が丸見えになってた。

甲斐は横から
その様子を見てプッと吹き出してる。


「誘ってんのかと思った」

「バカ云わないで、あぅっ・・ツっ!!」


下の方まで無理して手を伸ばした瞬間、

ピキーン。 


「ぅ!」


手から塗り薬がポロリ、あたしは横倒れ。
そのまま悶絶。
肩後の筋肉がギュ~って、痛すぎ・・!


「えっ!? ツっちゃった??」


コクコクっ! 頷く頷くしかない。

きっと普段の運動不足が祟っているに
違いなかった。


「いたっ・・。」

「直ぐ治るから・・。」


慌てた彼はベッドに乗り上げ
あたしの右肩をマッサージし始めた。
それが凄く慣れてて・・プロみたい。


「ありがと・・。もういいですよ・・。」


段々と解れて来て、自力で起き上がる。


「凄いな、この肩の硬さ。職業病?
このままうつ伏せになってみ?」

「・・・・。」


ダイジョウブカナ・・

まあ、こんなにツーンと、クスリ臭い
女をどうこうする気はまさかないだろ。

素直に言う事を聞くと後腰に乗っかり、
肩から腰からフクラハギまで
極楽気分なマッサージを施してくれた。


「オーナーがね・・?」

「うん、なに?」

「新しいフライパン買って来てくれたの、
でも、それがスンゴイ重くって・・。」

「はは、文句云わずに使ってるんだ?」

「うん・・。え・・・? や・・!」


寝ている腕を彼が後から急に取り出した。
持ち上げる様に後へグイと左肩を掴んだのだ。


「嫌! 止めて!!!」