壬生寺から約三十秒程で、壬生浪士組の拠点である、八木邸に着いた。






また、隣に前川邸があり壬生浪士組のもう一つの拠点でもある。






前に、平成で見たことあるが、やはり江戸時代の八木邸は綺麗でやや大きい。






ちょっと感動。








「俺たちは八木邸に世話になっている」







「ほぅ」








「前川邸の方は芹沢さんたちがいるよ」








「ふぅん」








「と言うわけで…
はい、これで足拭いて」







「はぁ?
どーゆーわけだよ」







「どーゆーって、君…自分が裸足なの気付いてないの?」








「あ?
…ホントだ」








「……なんか、こんな奴に負けたって思うと凄い屈辱的なんだけど…」






「……悪かったな、こんな奴で」







飛んできたからな。







履くものなんて持ってねぇんだ。









「無駄話などしてないでさっさと行くぞ」







「は~い。
相変わらず一君は休み無しだね」







「隊務に休みなど必要ない」







「つか、コレも隊務なのか?」






コレとは、今沖田から渡された手拭いで足を拭くことだ。






「勿論だ」









「俺…まだ入ってねーぞ…」








「先に行ってるぞ」






斎藤は俺の言葉を無視してさっさと中へ入っていった。









おい……おい。










「ほら、早くしてよ。
土方さんはともかく、近藤さんを待たせたくないよ」







知るか、そんなこと。






つか、待ってねーだろ別に…。










なんか…既に疲れてきてるんだが…。








なんなんだ、コイツらは…。
















俺は肩を落とし、手拭いで足を拭いてから沖田の後を追った。