「「「「お疲れ様でした!」」」」


部員の威勢のいい声が体育館に響き渡る。


「明日は引退試合だからな!
気合い入れてけよ!!」


「「「「はい!」」」」


「それじぁ…解散!!」


俺、一ノ瀬 誠哉

高校三年で剣道部の部長をやっている。

まぁ、明日で引退だけど。


「一ノ瀬先輩!一緒に帰りませんか!」

「何言ってんのよ!一ノ瀬先輩と一緒に帰るのはあたしなの!!」

「いえ!私と帰りましょう!!」



…おい。


俺はさっき、“解散”つったぞ。


なに俺の前に“集合”してんだよ。