今日は定休日。
 なのに、朝からやたらと騒がしかった。
 もう少し寝ていたかったけれど、あまりの騒々しさにとても寝ていられる状況ではない。


「何してるの、朝から」


 パジャマのまま、美樹はリビングで騒いでいる彩に言った。


「あ、美樹。おはよう」
「おはよ・・・って、朝から何を騒いでるの?」
「・・・」


 美樹の質問には、仏頂面で答えない彩。
 どうやら怒っているのは、彩だけのようだ。
 悠と諒は、いたって普通。


「今日、俺達ちょっと出かけてくるから」


 コーヒーを飲みながら、悠が言った。


「あ・・・うん」


 悠の言葉に、美樹は頷く。
 まさか、彩はたったそれだけで怒っているのだろうか?


「彩は置いていくから。今日一日よろしく頼むよ」
「悠! 人をモノみたいに言うなよな!」
「・・・諒。もう行くか」


 完全に無視されている彩。
 そういえば、彩がこの二人と行動を共にしないのは初めて見たような気がする。


「わかったよ、勝手に行けよ!!」


 彩はそう言って自分の部屋に閉じこもってしまう。
 それにしても、この怒りようは尋常ではないように思えた。