悠と諒の二人が、今朝、例の『パワー充填』の為に出掛けていった。
 今回は必ず一週間で帰ってくると約束して出掛けたのが良かったのか、彩は前回とは違って、大人しかった。


「あいつらがいないんじゃ、あたしが頑張って店を手伝わなきゃな」


 とか、ホウキを持ちながら腕捲りをしているあたり、感心するものがある。


「ん? どったの美樹?」


 思わず見とれていた美樹は、彩に言われて、はっと我に返る。


「えっ? あ、何でもないの。なんか頼もしいなぁって、感心してたのよ」
「任せておきなさい♪」


 とは言え、やはり悠たちがいないと、お昼のラッシュはてんてこ舞いだった。
 今は彩と二人で、遅い昼食を食べ終えた時間。
 もう少ししたら、今度は学校帰りの女子高生たちが立ち寄る時間だ。
 殆どが悠や諒目当ての女の子たちなので、今日はどうやって言い訳しようかと、少し悩んでいるところではある。