涙を見られるのが嫌で、

私は俯いたまま、

駅に向かって歩いていた。

・・・

「キャッ。ごめんなさい」

ぶつかって、

相手の女性が私に謝った。

・・・

「こちらこそ、すみませ・・」

私は驚き、

女性を凝視。

「茉緒さんじゃないですか」

「・・・彩音さん」

「どうしたの、その顔?

ちょっと付いてきて」

・・・

私の泣き顔に驚きつつ、

どこかへ私を連れて行く彩音さん。

・・・

着いたところは、

静かなバーだった・・・

・・・

「どうして、泣いてるのか、

私でよかったら、聞くわよ?

あ、もしかして、

その原因は類じゃないでしょね?」