お母さんはあたしのお願いを聞いてくれた。 「麗紀!」 「ん?あ、おはよう」 下駄箱で靴を脱いでいると、はぁはぁ、と息を切らしながら美歌が走ってきた。 いつも、走っているよね……。 いつもと変わらない朝。 いつもと同じ風景。 なにも変わっていないのに、なんだか、虚しい気持ちになってしまう。