「社長、明日からアメリカ出張です」


「分かってます」


毎朝ライアンは、私の予定を言ってくれる。


自分でも把握してるけど、来客とかで予定が変わってくることがあるから、本当助かるの。


「ねえ、ライアン」


「なんでしょうか?」


「アメリカに行ったら、美心ちゃんに会う時間ある?」


「ええ。それも込みで、予定を組んでいますから」


そう言ってライアンは手帳を閉じた。


「美心ちゃん会うの久しぶりだな~楽しみだな~」


仕事のことよりも、美心ちゃんに会えることを考えてしまう。


「仕事、忘れないでくださいね」


「忘れません」


「どうだか。社長の顔じゃなくて妹の顔になってる」


急に口調が崩れたと思ったら、チュッと唇を奪われた。