「ほら。これで仕事しやすくなっただろ」


「うん。ありがと」


私の机の引き出しからシュシュを取り出し、私の髪をひとつにまとめたライアンは、うなじにキスを落としてくる。


「綺麗だ」


「もう、やめてよ」


「顔真っ赤。かわいい」


「うー」


もう一度うなじにキスをされて、言葉が出なくなる。


そんな私を鼻で笑ったライアンは、ゆっくりとした足取りで席に戻った。


「バカ……」


小さく呟いて、仕事を再開する。


それからお互い無言で、仕事を続けた。


「美亜、そろそろ時間だ」


「へっ?」


ライアンに言われて時計を見れば、ちょうど12時。