要さんに送ってもらって 圭吾さんのところへ戻った。


「気に入るのは、いなかったのかな?」

手ぶらのわたしを見て、圭吾さんが聞いた。


「ううん。みんな可愛いかった。選べないから圭吾さんに見てもらいたいの。今日が忙しいなら別の日でもいいから」


「要が見てくれたんだろう?」


わたしは頷いた。


でも、わたしが一緒に暮らしているのは要さんじゃなくて、圭吾さんなのよ?


「やっぱり、犬とか猫はわたしの手には余るかも。もっと小さなものがいいかな……」


金魚とか、カメとか

それなら圭吾さんは平気?


圭吾さんが顔をしかめた。


「要? 何があった?」


「何も」

要さんが答えた。

「猫を見て、犬を撫でていたよ。ただ、お前に見てもらわなきゃ決められないそうだ」


「志鶴? 僕のペットじゃなくて、君のなんだからね」