昨日の死体の発見。
すぐに警察が駆け付け、事情聴取と言うことで警察署に連行された。
何も悪いことはしていないのに、周りの視線が冷たかった。
当然の事ながら、学校は臨時休校。
夏休みの宿題が終わっていない生徒には、思ってもない出来事だっただろう。
今でもリアルに思い出せる。
狭く、暗い部屋。
今時古いなと思うようなスタンドライト。
部屋の入り口付近で、パソコンをいじっている刑事。
恐らく、私達の証言をメモするのだろう。
そして、私の目の前に座った刑事さん。
天然パーマの黒髪に、特徴的なまろ眉。
眼鏡の奥の目は、何故か優しそうだった。
部屋に入り、うちひしがれている私に向かって開口一番、
「僕たちは、君の事を疑ってないから」
と言ってきた。
その言葉が嘘だとは思えなかった。