「どうしちゃったんだろ・・・雅」

今までこんな事なかったのに、と不安そうな顔で雅の消えていった先を見つめる初音。






『・・・はぁ。ちょっと雅の様子見てくるから。初音はここにいな?』

あたしは初音をその場に置き、雅の良そうな所を探した。



多分屋上。
アイツ・・・雅は悩んでいるとき、屋上へ行く。なんとも分かりやすい奴だ。






キ―・・・

屋上の古い扉を開けると、春から夏に変わるこの季節の生暖かい風が、あたしの頬に触れる。