次の日の朝。



学校に着いて、

階段を上り、

教室のある階の廊下を歩いていたら、

教室の前で、詩織と莉子が立っていた。




「おはよ・・どうしたの?」



私が二人に駆け寄ると、



「進展あり?」

と聞いてきた。



「・・・・なし。。。」



私がそう答えると、


「どんまい」と、二人から肩を叩かれた。



「アドレスも?帰りの約束も?」




莉子の言葉にドキッとした。



「・・・聞くのをうっかりと・・・」


「忘れた?」


「・・・うっかりと」



「うっかりじゃないでしょーが!

今すぐ聞いてこい!!」



ドンっと背中を二人から押されて、

教室に飛び込んだ。






すると机に頬杖をついて座っている拓人が見えた。



・・・今日は寝ていないんだ・・




後ろを振り返ると、廊下から莉子と詩織が「行け」と

厳しい視線を向けていた。




私は「うん」と頷いてから、拓人に近づいた。





「おはよう拓人」



私は自分の椅子に座った。


「あぁ」



気のない返事をした拓人。

いつもそうだから、この拓人の挨拶に私は慣れていた。





私は自分の携帯をぎゅっと掴んで、


拓人の方を向いた。



「拓人のアドレスを教えて」