ケータイ小説 野いちご

危険な瞳に恋してる

Ⅱ章
縛り

 




 大きな年表を半分引きずるように、わたしは、社会科準備室に、来た。

 扉の前で、深呼吸を一つする。

 どうか。

 村崎先生が、社会科準備室に居ませんように。

 テストの採点か何かで、職員室に居ますように。

 こくっと唾を飲み込んで、社会科準備室の扉を開ける。





 と。




 そこには、誰もいなかった。

「………良かった……!
 早く、年表を置いて帰ろう!」

 年表の置く場所は、準備室の隣、資料室の奥だ。

 わたしは、慌てて部屋に入ると、年表を、ホルダーに引っ掛けようとした。

 先生が、来ない内に、早く、早く!

 ところが。

 焦っていたせいか、いつもは一回で引っ掛かるホルダーに掛からない。

「やだ………!
 もう! こんな時に限って……!」

 焦って、ガチャガチャやっていると。

 突然、年表が浮いた。

 そして、浮いた年表は、一回で引っ掛かる。

「……あ……?」

 驚いて、振り返ると…………




 ………そこに、村崎先生がいた。





 

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