ケータイ小説 野いちご

危険な瞳に恋してる

Ⅰ章
紫音The No.1

 




 結局。

 わたしは村崎先生に、光輝く宮殿の入り口みたいな建物の前まで連れて来られてしまった。




 ……しかも。




 お姫さま抱っこのままで。




「……それで、ここ、ドコ?」

「ダーク・クラウンへようこそ!」

 わたしが先生に場所を聞いた途端。

 先生のセリフをとって言う声が聞こえた。

 男の人の声だ。

 どっかで、わたし達が着くのを見ていたかもしれない。

 スゴいぴったりなタイミングだった。

 それに。

 こ……これは、男……男の人だよ……ね?

「まぁぁぁ、紫音ち~ゃん。
 珍しいのねん。
 遅刻ぎりぎりのところも、お客様の同伴でご出勤もぉ~~」

 従業員用かもしれない。

 派手な出入り口の横にある勝手口から出て来た人は。

 まるで。

 ……熊がイブニングドレスを着て、歩いているような人だった。
 

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