「……ダブル・デート?
 しかも、次の休みに遊園地で?」

 放課後。

 学校が終わったとたん。

 わたしはダーク・クラウンにすっ飛んで行き。

 昨日より更に速く出勤してきた紫音を捕まえるなり、昼休みに柴田と練りに練った作戦を話して聞かせた。

 すると、紫音は。

 わたしの話を聞いたとたん、僅かに、眉を寄せた。



 ……あれ?

 ……もしかすると……そんなに喜んでない……のかな……?

 わたしは、とてもいいプランだと思ったのに。

 紫音と一緒に遊びに行けるチャンスだと思ったのに……。



「……ダメ……?」

 上目遣いのわたしの質問に、紫音はため息をついた。

「ホストクラブは、休日の前日は忙しい。
 普段なら、守屋の言っているその待ち合わせ時間も、オレはまだここ。
 ダーク・クラウンのホールにいる時間だ」

「え……?」

 そうだったんだ……

 わたし。

 ちっとも知らなくて……

「しかも。
 そのプランには、それ以外にも、もっと大きな穴がある」

 紫音は、今度は、はっきりと眉を寄せた。