あたしは、生まれて初めて恋をした。





人が、初めて恋をすることを世間では初恋と言う。





恋を知らない……っと言うより愛を信じてこなかった。





人を信頼することをやめて生きて来たあたしに恋をさせた奴がいた。






そいつの名前は、小野原尚希。





最低男との出逢いは偶然……かは分からないけど、確かにあたしと最低男はあの雨の日に出逢った。






最低男は、初対面のくせにセクハラまでしてくる超俺様。






そんな最低男にムカついたあたしは、思わず殴ってしまった。






だけど改めて最低男を見た瞬間、あたしは見惚れてしまった。






だって、最低男は世で言うイケメンなのだから。






イケメンとの偶然の出会い。






それは、まるで……





少女漫画やケータイ小説でありそうな展開。






女なら誰でも一度は憧れるだろう。





だけど、あたしと最低男との出逢いはそんな憧れるような出会い方ではなかった。





最低男は、とにかく最悪な奴だ。





俺様でドSでドエロでナルシストな奴。




 
そんな、最低男が嫌いで嫌いで……





とにかく大嫌いだった。