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星が瞬く、ある日の夜。私は、その夜空の下にいた。

そして、先にある小さな影を見つめていた。

ーグシャアッ、グシャッ!

「に…ぃ…」

その影の正体のせいか、

怖くて、どうしようにも止められなくて、声が震えた。

「にぃ……」

初めて味わった絶望。

それが、こんなにも辛いとは…思わなかった。

「にぃ‼やだっ、にぃっにぃっ‼」

私はその絶望感に耐えられなかったんだろうか?

無我夢中で、『にぃ』と、愛しい兄の名を呼んだ。

すると…

「愛してるよ…ウト」

兄の振り向いた姿は、

母と、父の千切れた頭を掴み、不気味に笑っている姿だった。