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「いい加減その疑いの目は止めてよ」

サクと私は朝ごはんを食べ終わった後、大型スーパーへと行った。そこで生活に必要なものと、着回しができる衣類を数着買った。

もちろん、全部サクのお金。


「これは疑いじゃなくて、悪いなって思ってる目」

泊まらせてもらってるだけでも気が引けるのにサクは「これとこれも必要でしょ?」と日用品も次々とカゴの中へ。


「お金は後でちゃんと返すから」

買ってもらった分とか、生活費とか。

今はなにもないからムリだけど、貯金を下ろすことができればすぐに返せる。


「期待しないで待ってる」

サクは笑って、また私を子供扱いした。


本当に荷物はひとつも持ってこなかったけど、通帳とか印鑑とか大事なものは持ってくるべきだったかも……なんて今さら後悔しても遅いけど。


そのあと私たちはお互いにひとつずつ袋を持ちながら、店内をぶらぶらしていた。平日で午前中だと人が少なくて買い物がしやすい。

まぁ、私の格好が制服だからたまにチラチラ見られるけど。


「あ、見て見て!ノラがいるよ」

「は?」

サクは店内のガチャポンコーナーの前で止まった。
そこには〝寝ん猫゛と書かれたガチャポンが。


「ねんねこ……?」