重機で壊れ行く思い出の詰まった幼稚園舎。 土地が広く、何とか借金の返済が出来る事となった。 園児たちのお母さん方からは、存続を願う声を掛けて貰えたけど、ここはもう、無くなる。 パパはショックに倒れ、病院へ緊急入院を余儀なくされ、私の手元に残ったのは、たくさんの写真と、帳簿だけ。 「これで、良かったのか?」 「――あんたはお金が返って来て満足でしょ」 家に入ろうとした私の隣に立つ男。 今は憎き、幼馴染み。